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2015年09月19日

カウンセリングの自己解決像 67

今日も、「カウンセリングの自己解決像」について述べます。

新しいカウンセリングでは、自己解決像を大切にします。
最初からその自己解決像を設定して、進んでいくのです。

不登校や引きこもりの人は、周囲からさんざんダメなところを指摘されています。
それを強調しないためにも、解決像は大切です。

その解決像を構築するときには、いくつかのポイントがあります。
先ず「問題がある」と考えないで、「解決像が霧におおわれて隠れている」と考えてください。

すでに解決像はあるのだけれど、霧におおわれて隠れているだけなのです。
そう考えるだけでも、気持ちは楽になります。

兵庫県宝塚市で起きた、女子中学生による自宅放火も本人が自己解決像を見つけられないがゆえのものです。歪んだ自己解決像にもとづいた、痛ましい出来事です。

本当の解決像の構築は解決のスタートであり、新しい生き方のスタートです。
いままで過去の生き方に拘束されていた人が、本当の生き方にチェンジするのです。
なりたくない自分から、なりたい自分にチェンジすることが本当の解決です。

さらに新しいカウンセリングの自己解決像は、より具体的で行動により表現されるものが適切です。
これは「朝、早起きしてラジオ体操をする」というものです。

またその自己解決像は、すぐ具体的にできるものです。
さらに意味の感じられるものであり、それを支えにして生活を深めていけるものです。
 
このような解決像を構築するときの、いくつかのポイントに従って解決像を構築することが大切です。
そうすれば本人も家族も、解決はより容易なものと思えます。

本人も家族も、常に問題と同居しています。その同居状態から、抜け出す必要があります。
そのためにカウンセリングを、希望するのです。それを具体的に、モデルにより述べます。

ある女子中学生です。現実に学校での乱暴な行為により、通学がスムーズにできません。
その相談に母親が、来室しました。そのカウンセリングは、自己解決像の構築を中心としたものでした。その部分を書きます。

カウンセラー:お母さんが相談にきて良かったと思われるためには、今日どんな変化が本人にあればいいのですか?

このように最初からカウンセラーは直接、自己解決像を尋ねました。

母親:「乱暴なことをして困っています。」「時間がたてば解決すると思っていましたが、逆です。」

このように相談者は、いま困っていることは語りました。
しかし解決に向かうには、次の質問に進む必要があります。

カウンセラー:お母さんは、いま困っていますね。その乱暴なことのかわりに、どんなことを本人にしてもらいたいのですか?

「困っています、困っています」の繰り返しになりがちな状況を、前に進めるための質問です。

母親:「乱暴なのは、父親も同じです。」「だから、もう希望はありません。」

このように相談者は困っているのに解決に向かうことができないと繰り返しがちですから、次の質問に進む必要がありました。

カウンセラー:その乱暴なことがほんの少し良くなったら、それはどんなことから分かりますか?

さらに解決像に向かって、会話を進めていくのです。

母親:「乱暴なことはいけないと知り、同級生とおしゃべりをしていればそう思います。」

このように相談者はより具体的な質問であれば、いま困っていることの解決像を語れます。
新しいカウンセリングでは、より具体的に前に進んでいくのです。そのために、次の質問をしました。

カウンセラー:それは、子供さんの年齢相応なことですね。より具体的に乱暴なことがほんの少し良くなったら、お母さんにそれはどんなことを通して分かりますか?

先ずカウンセラーは、母親を肯定しました。誰しも、自分が肯定されれば、生産的な方向に向かいます。そのために、とても大切です。母親は、その自己肯定のもとに次のように語りました。

母親:「人の話をちゃかさないで聞いて、かって気ままなことが減れば分かります。」

このようにして新しいカウンセリングでは、より具体的な解決像に至るのです。
粘り強く聞き、語りかける姿勢が大切です。そうすれば家族も、肯定的な解決像に至ります。

それとともに、不登校の子供に対する理解も深まります。
それはカウンセラーの粘り強く聞き、語りかける姿勢から間接的に導き出されるのです。

家族の不登校の子供に対する理解の深まりは本人にとって大きな力となり、それを支えとしてさらに解決像に接近していくのです。

ただし家族も本人も、問題の原因追求に向かいがちです。
その結果、カウンセリングが迷路に入り込むことも多いのです。

カウンセリングの迷路とは「なぜそうなったのか?」にばかりに気持ちが向かい、「将来の解決像」に向かわなくなってしまうことです。カウンセリングは、そのためにとても長い時間が必要になってしまいます。

そしてこれは、従来のカウンセリングのあり方でした。
以前のカウンセリングでは、「なぜそうなったのか?」を知れば解決すると考えたのです。

しかしその理知主義的な傾向こそが、カウンセリングを妨げていたのです。
理知主義的な傾向こそが、カウンセリングの壁だったのです。

新しいカウンセリングでは、「なぜそうなったのか?」を知ることをスタートラインとして活用するのです。そのための質問方法も、あります。

「『あなたはなぜそうなったのか』を知りたいのですか?」
それとも、「『なぜそうなったのか』を知れば、そこから新しい生き方をスタートできると思うのですか?」

こうして原因を知ることを、新たなスタートの第一歩とします。

多くの場合、相談者は次のように答えます。
「『なぜそうなったのか』を知れば、つまづかないで新しい生き方をスタートできると思います。」

このようにして新しいカウンセリングでは、原因を知ることを、新たなスタートの第一歩とします。
さらにモデルにより、具体的に述べます。

モデルは男子中学生の、母親です。
その中学生は不登校です。そして家庭では気むずかしく、母親も対応ができません。

母親:「うちの子は、気むずかしくて対応ができません。」
ここから先を、どの方向に進めるかが大切です。

母親の言葉を否定してはいけません。どんな発言でも、否定すればマイナス方向に向かいがちです。
否定しないで、前に進めるのです。ここに新しいカウンセリングの、意味があります。

そのためにカウンセラーは、次のように述べました。
「お母さんは、気むずかしい理由を知りたいだけですか?」
「それとも理由を知り、さらに正しい対応のできるようにしたいのですか?」

この質問により、母親が自然に気付く方向にリードします。そうやって、前に進めます。
母親はそこで、本当の目的は「正しい方向に進むこと」だということに気付きました。
そしてこう述べたのです。

「私は、もう今の生活に疲れました。子供とフレンドリーな関係になりたいのです。」
「いくら言い聞かせても、うまくいきません。」

この『フレンドリーな関係になりたい』ということこそが、この面接における自己解決像なのです。
母親は、フレンドリーな関係という目標に気付きました。いままで母親は子供との関係で迷路をさ迷い、出口すら分からない状態でした。

このことをさらにいかすために、カウンセラーは次のように述べました。
「子供さんも、お母さんと同じようにフレンドリーになりたいことに気付いたら、どのようなことを先ずしますか?」

このようにプラスの方向に進むために母親の発言を利用して、前に進む姿勢を保ち続けます。
それに対して、母親はこう答えました。

「気むずかしい顔や、態度をとらなくなりますね。」
「それだけでも、私の気持ちは楽になります。」

このカウンセリングの解決像は、フレンドリーな関係の構築です。
そしてそれは具体的には、「気むずかしい顔や、態度をとらなくなる」ことなのです。

さらに本人が「気むずかしい顔や、態度をとらなくなる」ことにより、母親にも変化が起きます。
悪循環を抜け出せるのです。

さらに、カウンセラーは次のように述べました。
「子供さんが、お母さんだけではなしに家族みんなに気むずかしい顔や、態度をとらなくなったらどうなりますか?」

こうしてカウンセリングでは母親にとっての解決像を、家族みんなに拡張します。
それに対して、母親はこう答えました。

「家族も気むずかしい顔や、態度に気をとられなくなります。」
「みんなの気持ちも、楽になります。」

新しいカウンセリングにおける問題解決は、とても広いものです。
それでも、母親は真っ直ぐには進めませんでした。
母親はこう話したのです。

「私は多くを、求めすぎではないでしょうか?」

このように解決を進めるときには、自分自身でブレーキを掛けがちなのです。
前にスムーズに進めないのは、自分自身がブレーキを踏むからです。

そのブレーキを踏まないで、さらっと前に進めることも大切です。
それを踏まえて、カウンセラーは次のように述べました。

「みんなの気持ちも楽になったのですから、お母さんが気むずかしい話しをしないでください。」
「それよりもみんなの気持ちが楽になったら、お母さんはどうしたいですか?」

それに対して、母親はこう答えました。
「子供のために、何かしてやりたいです。」
「家族みんなのためにも、何かしてやりたいです。」
「このように気持ちも、前向きにになります!」

次回に、さらに述べます。



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